尿素窒素は何を表す数値?

血液診断に用いられ内臓の健康度を示す値の中の一つに尿素窒素があります。尿素窒素は主に腎臓の機能不全を示す値であり、尿素窒素の量がおおよそ排泄されるべき他の有毒物質の滞留量ともリンクしていると考えられています。つまり、尿素窒素が高ければ高いほど、他の腎臓で排泄されるはずの有毒物質も多く残っているということです。

 

尿素窒素とは言いますが、この値が示しているのは血中の尿素の量です。尿素1分子につきアミノ基として窒素原子を2つ含んでいます。血液検査ではこの窒素原子を抽出しているため尿素窒素という項目名になりますが、この値で測りたいのは血中を流れる未回収の尿素です。

 

尿素はエネルギー代謝後やアンモニアなどの有毒物質解毒などの後に、最後に残る燃えかすのようなものです。肝臓がエネルギー代謝時に発生させたりアンモニアを尿素回路で無毒な尿素へと変換し、これを捨ててもらうため腎臓に渡します。腎臓が正常に働いているならば受け取った尿素を尿に溶かし込み、体外へと排泄します。

 

血中の尿素が多いというのは、タンパク質の摂取量が過剰などの理由で尿素の産出自体が多いという可能性もありますが、そうでなければ腎臓がしっかりと働いていない可能性が高いのです。

 

尿素がきちんと排泄すべきゴミを捨ててくれていないため、いつまでたっても血中からゴミである尿素が減らないのです。そして、尿素が回収されないまま多く残っているということは、腎臓が捨てるべき他の有毒物質も多く残っていることが強く推測されます。

 

尿素窒素を下げるには?

 

尿素窒素が高いという状態は、腎臓の働きが低下していることを示しています。したがって、尿素窒素を下げるためには

 

1) 腎臓の機能を高める
2) 尿素が生成される元を減らす
3) 尿素の排泄を促進させる

 

の三つが考えられます。まず1の方法ですが、腎機能低下が軽度であり回復可能な状態ならばもちろん腎臓の回復と機能向上を目指します。尿素窒素が基準値から外れていてもやや高め程度ならば特に症状が無いことも多いため、腎臓の負担を減らして労りながら機能回復に努めることとなります。

 

しかし、腎臓はある程度以上ダメージが蓄積してしまうと不可逆的な機能低下が起こります。腎臓の回復が見込めないレベルになってしまった場合、2や3を試みることになります。

 

特に腎障害を患った方が常に注意しなければならないのが2で、尿素の元となるもの、特にタンパク質は十分に制限していかなければなりません。尿素はタンパク質の最終代謝物ですので、タンパク質の摂取量が増えるとそれに比例して尿素の量も増えます。

 

人工透析を行っている腎障害患者でもタンパク質の摂取量を無理なく制限することができ尿素窒素の値が透析前に80mg/dl以下で安定していれば、定期的な透析が必要なこと以外は健康リスクをあまり抱えずに生活することができます。

 

3に該当するのは利尿剤などですが、基本的にはどうしようもない場合にのみ使われるもので、そもそも腎臓に負担をかけるため普段から使うべきではありませんし、重篤な腎障害では使えない場合も多いです。